歯周病とは
歯周病は、歯を支えている骨(顎の骨)が細菌の出す毒素によって溶ける病気のことです。以前は、歯槽膿漏(しそうのうろう)と言われておりました。歯周病は、細菌感染症です。歯の表面や歯肉に蓄ったプラーク(歯垢)の中に歯周病の細菌がいます。
歯周病には、歯肉炎と歯周炎があり、口の中の細菌が増えるにつれて、歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目)に炎症が現れます。歯肉が赤く腫れ、出血が起こります。これが歯肉炎です。
歯肉炎は、適切なブラッシングにより、1週間から10日で治ります。歯科衛生士により、適切な歯ブラシとブラッシング指導を行っています。
歯肉炎の状態が続くと、歯周ポケット内の歯周病原因菌の活動により歯と歯ぐきの結合組織が徐々に破壊され、歯周ポケットが深くなっていきます。この深くなったポケット内で細菌が増殖し続け、毒素を出し続けて、歯槽骨(顎の骨・歯を支えている骨)が吸収(溶けていく)されていきます。これが歯周炎です。進行した歯周炎は、治療しても元の状態に戻すことはできません。歯周炎が進行しないように歯科医院での治療と定期的なオーラルケアが大切になっていきます。
歯周病による症状
口の中がネバネバする
歯を磨いていると出血する
口臭が気になる
歯肉が痛い
歯肉が赤く腫れている
歯ぐきが下がった
歯と歯の間に隙間ができた
冷たいものがしみる
歯がグラつく
■歯周病を治すには
歯周病治療は、患者様と術者の共同作業です。慢性の病気である歯周病の治療は、歯科医師や歯科衛生士など、術者による治療だけでは治りません。患者様自身の日々のメインテナンスがとても重要になります。患者様がご自身の歯周病について、よく理解する必要がありますので解りやすい説明を、スタッフ一同、心がけております。何でもご相談して下さい。
予防歯科について
歯の健康は、治療が終わったからといって、そこで終わりではありません。治療後の定期的な メンテナンスが非常に大事です。繰り返し歯を削ったり、抜いたりとならないように、当院では、予防歯科を重視しています。
患者様自身での日頃の歯磨きでは行き届かないケアを予防歯科で補うことで、虫歯や歯周病になりにくい口腔内環境を作っていきましょう。
■歯の予防に必要なこと
プラークの除去
歯の洗浄
口腔内環境の修復
歯の強化
■歯石除去(スケーリング)
超音波治療器や器具を使い、目に見える範囲のプラークや歯石、ステイン等を除去していきます。
■PMTC
プロによる専門的な歯のクリーニングのことです。スウェーデンのアクセルソン博士により考案された30年以上前から行われている予防プログラムです。このメンテナンスの方法により、97.7%の確立で歯が守られ、虫歯と歯周病を予防できるという研究結果が出ています。
このメンテナンスの方法とは、歯科衛生士により、様々な専用機器や器具を用いて、毎日の自分自身で行う歯磨きでは落ちない汚れ(バイオフィルム)を除去していきます。バイオフィルムとは細菌が分泌するバリアに守られた細菌の塊のことです。
また、ハイドロキシアパタイトという歯と同じ成分のペーストを塗り込むことによって、歯の表面をツルツルにし、再石灰化を促します。
このPMTCの効果により、再び汚れ(細菌、プラーク)が付きにくい歯に修復していきます。
■POs-Ca Fで歯を元気にしよう!
当院では、予防対策の一つとして、POs-Ca Fをご紹介しております。
甘いお菓子などの食べ物や酸性度の高い食べ物や飲み物で歯からカルシウムが溶けだしてしまいます。
そこで、POs-Ca Fを噛むことで唾液を介してカルシウムを歯に戻すお手伝いをしてくれます。歯の健康を守るために毎日のブラッシングと定期検診も欠かさず行いましょう。